極私的IR(統合型リゾート)暴論・日本にカジノの未来はあるか?!

2018年にいわゆるIR整備法が国会で可決・成立して、日本でリアルカジノが誕生する可能性が現実的になってきたようです。
元々、リアルカジノには一生行く事はないだろうと思い、オンラインカジノに足を踏み入れた僕としては、今後の日本のカジノの行く末が大いに気になっています。

IRというのは「Integrated Resort」の事で、日本語にすると「統合型リゾート」という事になります。
国際会議場やら、展示施設、文化芸術を生かした公演などで、滞在型の観光客を呼び込む施設のことなのですが、その目玉が「カジノ」というわけです。

何故「カジノ」が、話題の中心になるかと言えば、大きなお金が動く施設だからなのだろうと僕は思っています。
日本にいながら、堂々とギャンブルを楽しむ場所が出来るというインパクトもあるのでしょう。

競馬場

ですが、日本には「カジノ」は無くてもギャンブルを楽しめる場所は結構多いのです。
競馬、競艇、競輪、オートレース…そして、パチンコ、パチスロ。大きな意味で捉えれば宝クジなんかもギャンブルに含まれますよね。
宝クジはギャンブルというイメージは少ないので拒否感を持つ人は少ないですが、競馬や競艇などのように、だいぶメジャーなイメージが定着したものでも、ギャンブルに否定的な感情を持つ人は多いです。

「公営」のギャンブルが、税収にもなり、収益が社会福祉に役立てられている事が強調されても、「負」のイメージはつきまといます。
「カジノ」に情緒的な反発を抱く人も少なくないでしょう。
「治安の悪化」「依存症の増加」といった理由でカジノ建設に反対する人の根底には、ギャンブルに対する否定的な感情が根底にあると思います。
だからカジノを作りたい人たちは、そういった「負」のイメージを、できるだけ排除して「健全な娯楽施設」である事を強調したいのだと思います。

様々な対策が提案されているようですが、結局はイメージ戦略に過ぎないように僕は感じています。
反対派の否定的感情をねじ伏せてでも「カジノ」を作りたい理由は、やはり儲かるからでしょう。

賭け事は、どう転んでも「胴元」が儲かる仕組みになっています。
たいていのお客さんは損をします。
それが税収にもなり、地域の経済も活性化します。

「経済」という観点から見ればカジノは、とても有効な集金システムだと思います。
しかも、カジノは既存の日本のギャンブルとは違った層をターゲットにしている気がします。
パチンコや競輪、競馬などは、大きな資金が無くても賭けられます。
僕の様な貧困層からも細々と金を巻き上げられるわけです。

実際の数字は分かりませんし、個人的な見解ですが、「貧しい人間が一攫千金を夢見て、なけなしの金を賭ける」といった印象が既存のギャンブルでは圧倒的に強いです。
ギャンブルにハマり、身を持ち崩していくのは、元々、ゆとりのある生活をしていなかった人である事が多いように感じているのは僕の偏見でしょうか?
ですが、新しく造られるカジノでは、そこそこの入場料を取り、高級感を強調していこうとしているように思います。

小銭を握りしめて気軽に入れるような場所を作るわけではないでしょう。
ギャンブル依存症の対策でもあるのでしょうが、ある程度の富裕層から、まとまった金を得ようとする狙いもあると僕は思っています。

カジノ不健全論

マカオ カジノ
カジノ建設に反対なんて言う心算はサラサラありません。
ギャンブルが権力者を持った人たちにとって利用価値の高い集金システムである事は、ある意味で宿命だと思います。

ですが、そのシステムの中で、利益を得、夢を叶える人間も少数ではあっても存在します。
その少数の「勝者」になる事をギャンブラーは夢見るのだと思います。

もちろん健全な娯楽として楽しむ人もいるのでしょう。
けれど、本気でギャンブルに挑もうと思ったら、どんなに表向きを取り繕ったとしても、「欲望」の渦巻くドロドロとした側面を避けては通れないはずです。

むしろ、そこにこそギャンブルの本当の快楽があるはずです。
所詮はカジノは「博打場」「賭場」なのです。
健全なだけでは面白いはずがありません。

ならば、敢えて、そのダークな側面を生かした施設にしてしまった方が面白いのではないかと、僕は思っています。
今更、海外のカジノをコピーしたような施設を作っても、面白くないです。
それに、せっかく日本に作るのだったら、日本独自のものにした方が良いに決まっています。

ジャパニーズ・カジノ

チンチロリン
日本にも昔から様々なギャンブルがあります。
映画でお馴染みの「丁半博打」は、その代表かもしれません。
しかし、ほとんどの日本人は、実際にプレイした事はないはずです。
他にも「チンチロリン」みたいなサイコロを使ったゲーム、「オイチョカブ」の様な花札賭博もあります。

海外のカジノに例えれば、「丁半博打」はバカラ、「花札賭博」はブラックジャックやポーカーといった感じでしょうか。
けれど、日本人にとっても「丁半博打」や「ちんちろりん」「オイチョカブ」は、バカラやブラックジャック、ポーカーよりも馴染みの薄い存在です。
公式にプレイできる場所が存在しないのですから、当然の話です。

僕自身も何となく存在は知っているし、おおまかなルールも分かっている積りでいましたが、本当の所は何もわかっていません。
アンダーグラウンドでは、今でも何処かでプレイされているのかもしれませんが、当然、違法ですから、一般の人間が遊べるはずがありません。
そういった日本のトラディショナル・ギャンブルを文化と捉えるなら、このまま忘れ去って良いものではない、と僕は思っています。

賭場復活!

賭博
せっかく日本にカジノを作るのなら、「賭場」にして欲しいと僕は切に願います。
映画やドラマ、小説の中でしか知る事のできなかった世界に足を踏み入れ、ギャンブルを楽しめるなら、ぜひ体験してみたいものです。
日本の文化に興味を抱いて来日する海外の人にとっても、その方がずっと面白いのではないでしょうか?
更に、妄想を膨らませるならば……。

「賭場」の中では、和装を正式の衣装とし、侍や渡世人、忍者、町娘や御姫様、遊女、忍者なんて衣装をレンタルして、「博打」を楽しむなんていうのはどうでしょう。
コスプレでなくても入れるエリアも作っておいた方が良いでしょうが、かなり需要はあるように思います。

負けた人には「簀巻き」チャレンジが与えられて、勝てば「負け」はチャラになるが、負けたら簀巻きにされて池に放り込まれるなんて遊びも面白い気がします。
ツボ振りとしてエロいお姉さんや、イケ面男子を養成すれば、人気者になるかもしれません。
「色街」ゾーンでは、ギャンブルとは違ったお座敷芸を楽しめたり……。
面白い事は沢山できる気がします。

コミック世界のギャンブル

鉄骨
「鉄骨渡り」や「限定ジャンケン」「Eカード」といった、フィクションの中で創造されたギャンブルを実際に経験できる施設もありだと思います。
勿論、心身に決定的なダメージを与えない工夫は必要ですが、実際にギャンブルとして、そういったゲームが楽しめるのなら、僕はやってみたい気がします。
「焼き土下座」の疑似体験とか、できないですかね?

「マンガ」が日本の文化だというのであれば、そういった世界観を生かした施設をつくる事も、意味のない事ではないと思います。
一兆一隻で実現できるとは思いませんが、「文化・芸術」を生かした統合型リゾートを目指すのであれば、世界のどこにもない日本だけの施設であった方がいいはずです。
大人だけが楽しめる「ジャパニーズワンダーランド」こそが、日本が目指すカジノの姿ではないでしょうか?

こんなカジノを作って欲しい!

これまで書いた事は全部、僕の妄想に過ぎませんが、IR法やカジノ建設について議論される時、経済的な側面や、デメリットばかりが語られ、どの様な施設を作れば魅力的になるかという視点が決定的に欠けているように僕は思っています。

様々な思惑やリスクがあったとしても、作るのであれば魅力的な施設であった方が良いはずです。
魅力的であろうとする事を考えた先に、もしかしたらデメリットを軽減するアイディアも生まれてくるかもしれません。

いずれにしても、安易に海外のカジノをコピーしたような施設を作る事には魅力を感じません。
それでは、まるで開国直後の日本が闇雲に西洋の文化を取り入れ、猿真似したのと同じようで、みっとも無いように思います。
そこに創意工夫、日本ならではの発想があってこそのIRなのではないかと僕は思います。
みなさんは、どう思いますか?

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